2015年11月10日火曜日

グラスホッパー

映画「グラスホッパー」を観た。
伊坂幸太郎の小説を「脳男」などの瀧本智行監督がメガホンをとっている。
脚本はうちの先生でもある青島武さんだ。

青島さんとは毎週会うし、早めに見ておかないとまずいと思い、昨日慌てて観に行ってきた。

生田斗真は悪い役者じゃ無いと思う。
ただジャニーズという先入観は、ジャニーズファン以外を敵に回す。
「所詮、子供の見る映画だろ」くらいに舐めてかかられるというわけだ。
この映画が当たるかどうかの鍵はジャニーズファンには持ちえてない。
アンチジャニーズがどれだけ口コミで広げるかだろう。

作り手は誰も彼も真の映画畑の人たちである。
誰も彼も数々の名作に関わってきたツワモノたちだ。
だからというわけではないが、当然、上映時間の2時間は釘付けにしてくる。

物語の枝葉である役者たちにもちゃんと物語設定がされているのは、青島さんのうまいところで映画に対する敬意さえ感じられる。

しかしである。
役者がその背景にコダワリを持ち始めた時、枝葉は別の幹を持ち始め、観客に混乱を与えてしまうような気がしてならないのだ。

さてさて、瀧本さんはどう猛者たちを操ったのだろう。
もっともっとやって欲しかっただろうか。それとももう少し抑えられたら良かったと思っただろうか。

是非とも会って聞いてみたいところである…。



2015年11月8日日曜日

雨男

京都は雨。
先日のNHK連続テレビ小説「あさが来た」の中で雨男を語るセリフがあった。

九州の炭鉱に行くことになった主人公 あさが、離れ離れになる旦那様に、「お家のためにお妾さんをもらってください」と悲しいお願いをした翌日、あさが寄り合いから戻ると、旦那様はお妾さんの家に行ったことを知る。

やりきれない気持ちで外に飛び出すあさであったが、行く当てもなく、ふと空を見上げれば、やがて雨は降り出した。

「旦那様は雨男だから、嬉しい時は雨が降るんだす…」

あさはそう呟いて再び路地を駆け出した。


うまいセリフだ。
雨男(女)ってそうだったのかと納得させられた。

映画の撮影なんかじゃ、雨男と呼ばれる者は、またお前のせいでとからかわれ、疎まれる。
役者だったらキャスティングされない事もあるだろう。

しかしだ、「嬉しいときに雨が降る」と言われれば、それも可愛く思え、許したくもなってくる。

今度、雨が降ったら、そこには雨男がいないか探してみたいものである。
きっと一番ニヤニヤしている奴に違いない…。

2015年11月7日土曜日

映画撮影

先日、卒業制作の撮影で福井県の水晶浜海岸まで行った。
監督が夕陽を背景にしたいと言い、わずか1時間弱の夕陽を待って撮影は行われた。

時間を操る映画芸術は、常に時間に追われるものだ。
役者たちもスタッフも大変である。

まるで自然と鬼ごっこでもするかのようにカメラはあっちへ回り、こっちへ回りとするものだから、回りのスタッフたちもぞろぞろとその後ろに着いて回る。

当然、役者たちも必死である。
さっきの芝居も今の芝居も同じ芝居でなければ繋がらない。
その緊張は赤く染まる顔にも浮かんでいた。

確かに僕にもこんな時代があったのだ・・・。

2015年11月3日火曜日

「風・恋・花」

撮影カメラマン&写真家の清家正信さんの写真展を観に行く。

今回多く展示されていたプラチナプリントなるものは、千年も色褪せることなく保存がきくものだそうで、その一点、一点に写真家としての深い愛情とこだわりを感じた。

たった一度きりの瞬間に多くの想像や物語性を感じられたのは、清家さんのお人柄が成す匠の技に違いない…。

京都 05(まるご)ギャラリーにて。