2016年2月7日日曜日

今年の初舞台

昨年末から稽古していた舞台が終わった。
僕が演出したものだ。
FBでも紹介したので詳しくは書かないが、これでかれころ8年間続けて来た長いプロジェクトがようやく終わった。

当初は、僕が演出して若手を怒鳴り散らしていたものが、ここ最近では学生たちが本を書いたり演出したりして、わりと和気藹々とやってきた。
しかし、最後の公演だと言う事で演出という大役が廻って来ていた。
しかも演目は、「わが友ヒットラー」三島由紀夫の名作だ。

長セリフに長セリフで拮抗する会話劇は、これがダイアローグかと思う程のもので、聞いている相手役も数分間なにも喋らない芝居が続く。
まったく役者と演出泣かせの本だと最初は思った。

ところが、稽古してゆくうちに、その音楽劇のようなセリフの響きや時代や実在するキャラクターを忍ばせる隠喩に次第に読み解く面白みを感じていった。
さすがはノーベル賞候補まで噂された作家である。

ともあれ、公演は大盛況のうちに幕を閉じ、ようやく僕も自由になった……。
これから先あらためて何をすべきか、ゆっくりと考えていこうかと思っている。